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鍼で麻酔って出来るの?(鍼灸師 中山)

2023年07月26日

こんにちは
施術家の中山です🦌


今日は鍼麻酔、鍼鎮痛というものについてお話しします。


一般的な常識からは少し嘘のような話に聞こえるかもしれませんが、教科書にもしっかり明記されている本当の話として鍼で強力な痛み止めの作用を引き出せます。


厳密には私自身はまだこれを使う機会が今まではなかったので、方法は知っていますが伝文でのお話しになります。


やり方自体は思いのほかシンプルです。
合谷などのツボに、継続的に刺激を与えると言われています。


人力でもいけるようですが、効果を発現させるにはそれなりに速い動きを繰り返す必要があります。
そのため、大抵の場合は通称パルスと呼ばれる低周波治療器などの機械を使って、安定的に動かすと聞いています


中国は外科手術などの際に鍼麻酔を使うことは全く珍しいことではないらしいですが、日本で鍼灸に造詣の深いお医者さんなども、鍼麻酔で手術に成功している人はいるらしいです。


もちろんご存知のとおり、病院にはプロポフォールなどの全身麻酔を筆頭に、多くの強力な麻酔薬がありますね。


私が個人的に感じるところでは、世の中に様々な種類の素晴らしいお薬は存在しますが、麻酔薬という種類のお薬の発明は、とりわけ非常に素晴らしい発明だと思います。



さて、それら薬剤としての麻酔と、鍼麻酔ではどのような違いがあるのでしょうか?


まずデメリットを述べます。
一般的には鍼麻酔の最大のデメリットとしては、作用まで15分くらいの時間を要することだと言われています。15分は、それなりに長い。特に目の前で激痛を訴えている人にとっても、それを見ている人にとっても15分はそれが激甚であればあるほど永遠のように感じる長さだと思います。
なので、そういう緊急な場合はやはり薬剤に大きく軍配が上がると思います。


逆に鍼麻酔のメリットとしては、まずひとつは
受け手の身体の負荷も極めて低く、また分量における安全域からみた側面はあるようです。


麻酔だけを専門にしている医師さんって世の中にいらっしゃいますよね。


私も実際にそういうお医者さん何人かに直接お話を聞く機会があったのですが。
なぜ麻酔専門の医師が他のお薬と分けているのかというと、麻酔薬というのは効果が効き始める量と、命の側面から致命傷になる量が非常に近いものが多いという特徴があるらしいです。


つまりほんのちょっと分量を間違えるおおごとになるということです。
だから麻酔薬に対しては特別に、プロ中のプロを病院には配置しているということでしょう。


一般の人からみたらなかなか気づきにくい手術前の麻酔一つでも、様々な人の多くの高度な知識と高度な判断のもとに行われているということでもあります。


さてそれに対し、鍼麻酔は、やり過ぎても命に危険があるということはないようです。
そのため、同じ麻酔と言っても安全域という意味では真逆と言ってもいいほどの違いがあります。


この特徴は施術全般に言えると思います。
よほどルールを逸脱したやり方でなければ、やり過ぎても外しても特に命には危険はない。
ただその場合は何も効果は出ない。


別の角度からみると、新米の治療家と受け手双方にある程度優しい仕組みを古代の治療家のマスター達は選んで残したとも言えるかもしれません。


もう一つの鍼麻酔のメリットとしては
麻酔をしていても意識を保ったまま麻酔が効くということでしょう。


もちろん手術などは受け手に意識なく眠っている方がいいと思います。


だけれど手術ではなくても麻酔を使いたいくらい激痛のときという局面はあると思います。
例えば、全身に強力に痛み止めを効かせていたいけれど、どうしてもその人と大切な話をしておきたいという場面などは非常に有効かもしれません。


鍼麻酔のメカニズムに関してはかなり有力な神経性のメカニズムは提唱されていますし、鍼灸の国家資格の勉強範囲でもありますが、実際はまだ不明な点も多くあるようです。


私の個人的な見地からみると、神経性のメカニズムなどの鎮痛だけでは少し説明がつかなさそうな気もします。そのメカニズムも機能している思います。と同時に、別のメカニズムも存在しているような。
もちろんβエンドルフィンなどの物質も非常に密接に絡んでいると思います。しかしどこか、1度臨死体験を経験した人の痛みの消え方の話などと、多くリンクしている気がしています。


文献を多く読んでいると、どうやら麻酔のメカニズム自体、現代の医学では未知な部分はあるらしいです。
なので、鍼麻酔だけに限らず、麻酔全般、むしろ医学においていろんなことが本当に未知な部分が多いのだなと気付かされます。


そもそも眠ること自体、最先端学術でも未知な部分だらけですよね。
精神、人ひとりひとりの心も、どこにあるのかなどは最先端学術では答えの出ていないことですよね。




最初に発見されたビタミンであるチアミン(ビタミンB1)や、その他、昔々から使われている病院のお薬などでさえも、論文などを読んでいるとよく分かるように、詳しいメカニズムは分からないことだらけです。



分からないものをどこまで使うか使わないかのバランスは人によって千差万別だとは思います。
また、手術、投薬、それに予防など。


医学も医術もシビアになればなるほど不確実要素が多く絡みます。
知っていれば知っている程、分からない範囲に対する判断に迷う局面も、多く存在します。


この判断について私個人的な判断尺度を述べるのであれば
先々までみて、受け手が、使わないより使う方が健やかだったり幸せになる可能性が高いかどうかが一つの判断基準の柱なのではないかなぁと思います。
逆に、使う方が使わないより、不健康になったり不幸になるのであれば、それは医療の目的と手段が逆になっているのではないかな思います。

これは珍しいケースではなく、そういう形はそれなりに多く存在していると、個人的には思います。


最後に少し話が脱線しましたが、今日は、鍼麻酔という鍼灸の技があるということを知っていただければと思います。


今日もお読みくださってありがとうございました🏵️🦌

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