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こんにちは
施術家の中山です🐤


最近しばしば電車の広告などで東洋医学の用語を目にします。
特に血虚は割と目にする気がするので血虚という言葉を中心にお話ししていこうと思います。

どちらかというとこの記事は医療従事者さん向けです。


血虚とはざっくり言うと、血が不足していることで全身に不調和が起きている状態です。
また、血が不足している原因や、原因となる場所は多岐に渡ります。


そのため、どちらかというと血虚という言葉単体ではなく「肺血虚」とか「腎血虚」とか、五蔵、つまり臓器をからめて血虚という言葉を使うことが多いと個人的には思います。


どの五蔵で血が不足しているのかを特定出来れば、さらにその原因を絞りやすくなるからです。

例えば分かりやすくサッカーに喩えると、大量失点でプロのチームが負けてしまったときがあったとします。

大抵は、大量失点の原因にゴールキーパーが大きな原因であることは稀かもしれませんがキーパーの調子が悪いときもありますよね。またチームワークがとれていなかったり、１人の選手が人知れず負傷していることを黙って頑張っていて動きがかなり鈍っていたり、中盤の選手が戦術的に一生懸命走り回っていたがゆえにパスミスを繰り返すくらい疲れていたり、そういったとことに原因があることが多いと思います。


ただ、これを逆に考えると、プロのゴールキーパーが「ピッチを走り回ったことで」疲れるということはあまり考えづらいですよね。


五蔵にはそれぞれの性質や性格と傾向があります。
肺には肺の、腎には腎の、といった形にそれぞれの臓器にはそれぞれの臓器の傾向があります。
普段大量失点しないチームが、大量失点した時って、１０も２０も改善しなければならない訳ではなく、大抵は１つか２つ、かなり多くてもせいぜい５つくらいの要因が全体に影響を及ぼして大量失点に繋がっていたりしますよね。


また、その要因によって対処方法も違いますよね。
トレーニングメニューを変えた方がいいのか、そうであればどのメニューをどのくらい変えるのか、選手のケガを治したらいいのか、今は敢えてなにもしないのが解決への最良の手なのか。


だから、「血虚」という言葉だけである程度大量失点の理由が述べてあるのですが、そこに、「腎血虚」などというと、どの選手がどのように不調和を起こしているから、それに対してそれに沿った何かしらの手を施せばいいということまで分かる。
それが東洋医学の「証」というものです。


案外大きく勘違いされやすいことがあります。
「腎血虚」だからといって、必ずしも腎に明確な炎症があったり、クレアチニンや尿素窒素の数値が乱れていたりする訳ではありません。


どういうことかというと、先ほどのサッカーの例で喩えると、ケガはしていないけれど酷く疲れていてそのことを黙って隠して頑張っている選手：腎選手がいたとします。
そのことに人知れず気付いた選手：肺選手がいて、その肺選手がさりげなくフォローするために慣れない位置で慣れないプレーをせざるを得なかったとします。


慣れないから派手なパスミスをしてしまって失点に繋がったとします。
そうなるとそのパスミスは、目立ちますし、スタッツにもパスミスの１という数字が残りますね。大抵は肺選手が失点の原因にされると思います。


このことが証と診断の違いでもあります。
この時に原因の根底にある腎をまず回復させて良くした方がいいよというのが証の考え方で
直接パスミスした肺のパスやポジショニングの精度が悪いから良くした方がいいよというのが診断の違いでもあり、ここで大きく治療のやり方はかわります。
漢方薬でも、処方の仕方で同じ違い事が言えます。


どちらのやり方も尊いと思います。
個人的には、試合の最中か試合後かで対処方法も変わるのではないでしょうか？。



少しこの点は西洋の理論をメインとする医療従事者さんと東洋の理論をメインとする医療従事者さんで、互いに理解しているようですれ違っている齟齬がよく生まれているように感じられます。
なので、今日は割と医療従事者さん向けに、鍼灸師の私の視点から書いてみました。


今日もお読みくださってありがとうございました🍀🐤