下関 その2(鍼灸師 中山)
こんにちは
施術家の中山です🦜
前回に引き続き下関というツボについてお話しします。
くどいようですが、しものせきではありません。フグとも、関係ありません。
「げかん」です。
さてこの下関というツボはどんなツボかというと、顔の諸症状に対する効果があると言われています。
少し脱線してお話しすると
ツボの効果で「それはなぜか」という話になると、メカニズムの様々な説はあっても、しっかりとした定説は教科書などにはありません。これはツボ全般に言えることです。
それが故に、ツボでの治療が土台となっている東洋医学は、その土台の各ツボのメカニズムに定説がないがゆえにつかみどころのないところになっている側面があると言えます。
これは一見デメリットに見えるかもしれませんが、大きなメリットもあります。
定説でがっちりと固めていないということは「正統」も「異端」もツボの使い方自体には存在しない。
それはつまり各々が医術医学を学び、研鑽しつづけることで、発見し様々な使い方が出来るということです。
RPGゲームの技や呪文を覚えることと、鍼灸師の治療法を発見することは、非常に似たものがあるように、私個人は思います。
「正統」があると、それ以外の素晴らしい技は全て異端となり潰えてしまいます。
東洋医学、特に五行色体表や、様々な神話などの言い伝えなどが、きっと様々な解釈で、それぞれが様々な治療法を発見できるようにしているのだと個人的には思います。
そうすればその治療法も、末広がりに、深く発展していきますよね。
特定の病に対して鍼灸治療をしていると治療の際、確信をもって治療できて再現性もあるけれど、目の前の病態に対するメカニズムとして、医学用語で説明が出来ない部分、むしろ、医学での用語が存在しない部分という方がはるかに多いと思います。
けれども治療家自身に「確固な感覚」としっかりとしたメカニズムの「イメージ」を持っていれば、厳然とした結果が出る。医術とはそういうものだと思います。
逆に考えると、共通で絶対的に正統なメカニズムが西洋的な医学のようには存在しない分、伝統医術は結果が全てということとも言えます。
そのためここからは私の推測になりますが、この下関というツボのところには三叉神経節というものがあります。
神経節とはその神経の線維が集まって節になっているところです。
集合地点ということになります。
では三叉神経とは何かというと、ざっくりいうと、歯や眼は顔の痛覚などを司る神経です。
それ故、下関にツボの反応があるということは、別の角度からみると、顔全体を調整したり、指令を送る中継地点がバランスを崩していて本領発揮できないということです。
そのため、下関は顔全体の三叉神経が機能するためには重要な場所だと言えます。
前回も申しましたが、私の感覚では、この2,3年で下関にツボの反応が出ている人が明らかに増えた感じがします。(そしてここ直近の1,2か月は一気に減った感覚があります。)
原因はマスクなのか、他の多岐にわたる原因なのかは分かりませんが、どのような原因であっても、ツボの反応が出ている以上、三叉神経節なり、その周りの細胞の負担が以前より大きいようだと推測しています。
別の言葉にすると、眼や顔の負担が以前よりありそうだと感じています。
なのでもし、下関を少し押さえたら以前より明らかに痛気持ちいい感じがする人は、下関と、眼や顔、頭皮などのケアをすると、バランスが保ちやすいかもしれません。
ツボ治療というのはシンプルで一見ただ押すように見えるだけであっても、やはりプロとアマチュアだと効果は雲泥の差があります。
そのため、本気での治療の際は、理論も感覚もツボ使いのプロの鍼灸師に任せることをお薦めします。プロでなければツボを使って大きな効果を出すのは少し難しいなと、ツボのことを深く知れば知るほど感じます。
今日もお読みくださってありがとうございました🌷🦜