温めるのと、冷やすのと、どっちが正解?その2(鍼灸師 中山)
こんにちは
施術家の中山です🐋
今回は、前回に引き続き
「温めるのと冷やすのとどっちが正解か」ということについてお話しします。
温めるといいのでしょうか?冷やすといいのでしょうか?
これは実際に巷に普及しているように一律の答えなどは存在しないと思います。
つまり、温めるといいか冷やすといいかは、実際の患者さんを治療する場合は、状況や体質、また処置するタイミングによって真逆になるということです。
分かりやすく、飽くまでざっくりとした例で言うと
私が思うに、
腕をひどくぶつけたとして
それがぶつけた時から10分経過したときと
1日経過したときでは
温めたほうがいいか、冷ました方がいいかは真逆になると思います。
飽くまで原則はですが、10分経過したときだったら原則冷やした方がいい。
1日経過した時だったら、原則温めた方がいい。
と私は思います。
また、治癒が遅れることを承知でも痛みを抑えたいのであれば、1日経過した時も冷やした方がいいと思います。
こういった理由は、身体の細胞が10分経過した時の動きと、1日経過した動きは真逆になるものもあるからです。
例えば、ぶつけて45分後くらいまでは、血管は細い動静脈などが収縮し、ぶつけた被害が拡がらないように止めにかかるとされています。
つまりこの時点では原則、冷やすことは細胞達の意図をアシストすることになると私は思います。
その時間が過ぎたあとは、傷の治癒、再構成のために炎症を起こして治療しようとします。
つまりこの時点では原則、温めることは細胞達の意図をアシストすることになると私は思います。
私が知る限りでも長野や埼玉などにある非常に優れた病院の医療従事者さんたちは、こういった最適なタイミングみるために血液検査などで数時間単位でモニタリングし分析しながら、治療が功を奏しているか、次はどの薬剤が良いのか決めていたりするところもあるようです。
少し難しい話になりましたが、要は、その時その時の細胞の意図することをアシストすることが、温めるか冷やすかの正解を決めると思います。
同じ行為でも時間の流れ、タイミングによっては、大きくプラスにもマイナスにもなるということです。
この「時間の流れからの一連の見立て」は、東洋医学の「証」というものといえます。
だから、時間の流れ、タイミングで違うので東洋医学がつかみどころのないものに見えるという側面は往々としてあると思います。
ただ、西洋も東洋もどちらも、細胞の力を活かすためにアシストするものだということは間違いないところでしょう。
薬や手術自体が治すのではなく、鍼や灸自体が治すのではなく、
お薬や手術、鍼や灸がその人の治癒の細胞の力を上げて動きやすくするから、傷もふさがるし、病原菌も追い出せる仕組みにあるというのは、疑いのないところだと思います。
それ故、実際は、「自然治癒力」が主役であり、それは東洋のみならず西洋も同じだという大前提は案外忘れがちです。
先ほどのお薬などと同時に、それまで普段から積み重ねてきた生活習慣がどのようなものかによっても、同じ鍼灸治療でも、同じお薬でも全く違う結果になるということを付け加えておきます。
今日もお読みくださってありがとうございました🏵️🐋