そもそもだけど、鍼は効くの?その6(鍼灸師 中山)
こんにちは
施術家の中山です🕊️
「そもそもだけど、鍼を効くのか」ということをまとめます。
結論として、鍼や灸は効きます。
ただ、当てずっぽうでは著効は現わさない。
だけど、例えば鍼灸師見習いの時点の人が、効果を現わすツボを外したとしても、著効は現わさない反面、よほど変なことをやらなければかなり安全だと私は思います。
当てずっぽうでは効かないという側面からみると
投薬と同じで、鍼や灸も「カギとカギ穴」の関係にあるといえると思います。
ただ、鍼灸という伝統医術は、人の身体を自然物として見立てて事細かな理論が成り立っていて、分子生物学を基盤とした現代の投薬理論と違う角度や観点からみています。(言うまでもなくどちらかに優劣があるのではなくどちらも素晴らしい治療理論だと思います)
そのため、カギとカギ穴がぴったりと合うということは同じでも、医学と違う角度から、医学と違う効果を、なにより安全に効かせることができる。
そういうものだと私は思います。
ついでに、ここからは完全に余談ですが、
漢方薬は投薬であっても、西洋薬とは仕組みは全く異なっていると私は思います。
実際のところ現時点でも化学成分などで、漢方薬が充分に説明できていない理由は、東洋医学における「証」というものが、「その人それぞれの体質」と、それに季節の移り変わりのように、「物々の時間変化」を前提になりたっているからだと思います。
東洋の「証」と西洋の「診断」と似ていますが、この側面は特に、全く違うと思います。
これは完全に私の勝手な自論ですが
漢方薬は、たぶん腸内細菌自身が、身体の細胞と相談をしながら、様々なタンパク質のお薬を、適切な分量で作りだすのではないかな~、そうやって病気が治ったり体質が変わったりするのではないかと密かに思っています。
鍼灸もそうですが、証に合った漢方薬はその腸内細菌の数やバランスを、その時のその人が元気になるために最適なものに変えるのだと思います。腸内細菌がそういうお薬となるタンパク質を作りだすのではないかな、と。
そういうのを「最適化」だったり「自然治癒力」というもののひとつのメカニズムだと私は勝手に思っています。
もちろん他の意見もあるかもしれませんし、なにより、考え方が真逆でもしっかりとした治療効果があればそれが真だと思います。飽くまで今の私から見える観点ということで。
鍼灸も、漢方薬も、今日本で使えるのは、昔の鍼灸師さんの力もさることながら、漢方薬は特に医師さんたちが中心となり残し、普及してくださった歴史があります。
日本の鍼灸・漢方は特に、歴史をちゃんと紐解いていくと、日本の様々な時代における、様々な分野の、様々な人々にとても愛されて残されたものなのだという事実を痛感します。
そのことに感謝して日々鍼灸技術を使わせていただいています。
鍼は効くのかということを、何回かに分けて長くお話しさせていただきました。
今日もお読みくださってありがとうございました🌼🕊️