ツボの効果とそのメカニズム：陰包編 その３（鍼灸師 中山）
こんにちは
施術家の中山です🐳
前回に引き続き陰包というツボについてお話しします。
前回は、教科書的ではないけれど陰包穴を使うと呼吸が楽になる、また酸素飽和濃度が慢性的に低下している人も次第と数値が回復してくるという話でしたね。
今日はそれがなぜ起こりうるのか、私なりの考察と体験に基づいてざっくばらんにお話ししようと思います。
割と専門的な文章になるかと思います。
が、厳密性のある論文や、教科書的ではなく、飽くまで私の私見に基づいたものとお考えください。
ツボは、一つのツボでも複数の効果と、そのメカニズムを内包しています。
そこから今日はひとつ、そのエッセンスを抜き出してお話ししようと思います。
陰包穴というのは、トーマス・マイヤースさんのいうアナトミートレイン、つまり筋筋膜経線でいうところのディープフロントラインにもあたると思います。
ディープフロントラインは複数路線がありますが、陰包穴に関するところを上行していくと、横隔膜などのファッシアにあたると思います。
筋筋膜経線は、もちろん架空のものや概念ではなく、はっきりと形のあるものです。その実際の写真もマイヤースさんは載せています。
遠く離れている場所でも、片方が著しくよれていれば当然に影響を及ぼします。
つまり、陰包穴の筋や筋膜などの線維がよれて絡まり合って縮んでいると、当然にその糸はその先の方も影響を及ぼします。
これは、何も特殊なことではありません。
例えば昔の海賊船などのイメージで、端から逆の端にロープを張ったり、あるいは帆を張るときなどは遠くの紐などが作用しますよね。
若しくは、傘を広げるときも、芯を上に持ち上げるだけで四方八方に広がりますよね。
陰包穴が横隔膜に作用して、呼吸の深さを上げるというのは、これと同じことが言えると私は思います。
実際は、膜の物質的な側面もさることながら、膜だからこそなしえるプラスマイナスの電気的側面が、この作用の本質だとは思いますが、凄まじく難しくなるのでこれ以上は話しません。
ですが、おそらくはこの電気的プラスマイナスの考え方が、東洋医学の陰陽、補法瀉法の際の鍼の向きと奇妙に一致するのは決して偶然ではないのではないかと私個人的には思います。
もしよろしければ、陰包穴、使ってみてくださいね！
マイナーなツボだけれど。女性はもちろん、男性にも。デスクワークや座っていることが多い現代人には特に著効を表すツボだと私は思います。
今日もお読みくださってありがとうございました。☘🐳
