ツボの効果とそのメカニズム:上巨虚編 その2(鍼灸師 中山)
こんにちは
施術家の中山です🦚
前回は、とっても辛い物を食べてお腹が痛く、お腹ゴロゴロになった話をしました。
また、そのときに上巨虚穴にお灸を使ったら解消が早くなったという話をしました。
どうして、お腹と遠く離れた脚にお灸をしたらよくなったのでしょうか?
今日の話は、少し医術医学面での専門的話になります。
鍼灸師としての私の考察をざっくばらんに述べていきます。
教科書的な知識としては、上巨虚は経絡は陽明胃経、大腸の下合穴と言われるツボです。
私自身の解釈としては、胃経の胃の文字はそのまま胃を表しているのではなく、消化管全体だと思っています。
経絡治療などでも胃だけは、他の腑と比べて少し変わった扱いになっているのは、消化管全体を指しているからだと思います。
また、迷走神経とも非常に関りの深いものだと確信しています。
食道から大腸など消化管全体は迷走神経と切っても切り離せないくらい関連性の深いものですよね。
そのため、陽明胃経で、大腸の下合穴は、消化管全体の状態を良くしつつ、大腸自体もフォーカスして状態をよくするものだと私は解釈しています。
灸法としては、深谷灸を参考にさせていただきました。
私の感覚としては、深谷灸は灸法の中でも特にスパルタだけれど、即効性も、その後の養生の面も含めて非常によく効く。灸の真価を発揮できるとても力強い灸だと感じています。(澤田流も大好きです)
なぜ上巨虚が大腸に効くのか、同じ前脛骨筋の他の場所ではなぜいけないのか?
同じ筋筋膜経線上の他の場所ではなぜいけないのか?
そういった他の場所でも同様の効果を期待できるのか?
この問いには、私はノーだと思います。
ツボは筋肉へのアプローチは含んでいるけれど、筋肉アプローチでは説明つかない。
神経や動静脈等の走行でも説明はつかないと思います。
ただし、明確なメカニズムはあると思います。
私個人的にはそれは酵素系や、発生学と遺伝子系からみたエピジェネティックという分野からみると、割と矛盾なく説明がつくのではないかなと、ちょっぴり思っています。
経絡・東洋医学も、発生学や遺伝子系の学問も。組紐のように、太古からの生物の時間の流れが主なテーマでもありますよね。
いずれにしても、上巨虚は、マイナーなツボではあります。
ただし適切な形で、よいタイミングで使うと素晴らしい効果を表してくれる優れたツボです。
今日もお読みくださってありがとうございました。🌾🦚