好転反応について(鍼灸師 中山)
こんにちは。
施術家の中山です🐤
今日は「好転反応」という言葉についてお話します。
少し難しい話になるかもしれませんが、大切なことなのでしっかりとお話しておきます。
「好転反応」という言葉は治療家によって多くの解釈があると思います。
ただ、共通してはっきりと言えるのは、薬剤の「副作用」とは全く別物ということ。
それに「実際にメカニズムに則って好転反応は存在する」ということです。
私個人的には、好転反応とは、「身体が良い状態になるための、一時的に起こす不定愁訴」と考えるのが妥当だと思っています。また、漢方医学では「瞑眩」、温泉学では「湯あたり」と同義だと個人的には思っています。
また強い力で筋組織を傷つけたときなどに起こる「揉み返し」とは明らかに似て非なるものです。
さて、そのメカニズムとはどのようなものでしょう?
これにはいくつもの仕組みやパターンがあります。
今日はそのなかで比較的分かりやすい1つのメカニズムをご紹介します。
「老廃物」という言葉は聞いたことがあると思います。
机、ダイヤモンドなど様々な物質も、人の身体も、化学で考えると様々な元素に分けられますが、この老廃物も様々な成分で分けられます。
無理をしすぎたり、不摂生をするとそういった老廃物が身体に発生して貯めこんでいたりします。
施術をすることで、身体が活性化されるとそういったものがお掃除されます。
そして老廃物と呼ばれる成分は、微量ながらも一時的に血中などに流れ込み、最終的に腎臓の力などで体外に排泄されていきます。
施術後直後に排泄されるものもあれば、48時間後以降に出てきやすい成分などもなかにはあると聞いています。
クレアチニンやミオグロビン、シュウ酸カルシウムなどなど、人の体質によって、疲労の仕方によって様々な成分が排泄されます。
その排泄されるまでの間。つまり微量に血中などに老廃物が含まれている間に頭痛などの不定愁訴が起こります。
この時の不定愁訴が「好転反応」です。
好転反応が起こっている最中は、お掃除でややほこりが舞っているイメージだと分かりやすいかもしれません。
漢方医学ではこの好転反応(瞑眩)が出ないと本当に治ったと言えないと考える巨匠達も少なくなかったと聞きます。
また大きな病が治る時ほど大きな瞑眩が出る場合が多いとよく言われていたようです。
全ての症例でそうだとは言えませんが、仕組みから考えると大なり小なりその傾向はあると私も思います。
いずれにしても一見悪化したように見えます。
仕組みは違いますが関節の可動域などにも似た仕組みがあります。
また、このほかにも好転反応の仕組みは多く存在します。
再度申し上げておくと、一般的な強い力での揉み返しとは全く仕組みが違います。
ほんのたった2ミリの深さだけ、髪の毛よりもさらに細い鍼を打っただけでも。打たれた本人が全く痛みを感じないほどの刺激でも、手技が的確であれば起こります。
施術家の治療ポイントが的確であれば往々にして好転反応は起きる場合はあります。
多くの場合は、そのような治療を再現性を持って出来る治療家は、好転反応が起こりうる場合は当然に予め、予知出来ると思います。
少し難しい文章になりましたが、
今日は「ゴシップなどではなく、しっかりとしたメカニズムをもって好転反応は存在している」ということを知っていただきたく、少し詳しくお話をさせていただきました。
今後、施術を受けた後や、漢方薬を飲んだ後、温泉に入った後などに不定愁訴が起こった時は、このことを覚えておくと不安に感じなくていいものは感じずに済むかもしれません。
温泉の後などの頭痛は、好転反応という発想はあまりないかもしれませんが案外多そうな印象が私個人的にはあります。
また、そういうときはお水やお白湯を沢山飲むことが、シンプルイズベストです。
今日もお読みくださってありがとうございました🌻🐤